当たり前のぬくもりに気づいた

マタニティー・ブルーというのは出産後に起こるそうですね。
出産によって急激な女性ホルモンの低下により更年期の女性のように憂鬱になるという。
まだ出産していない今の段階でこんなに不安定なわたしは、出産したらどうなるのだろう。
今から心配してもしかたないことですが。
長い間、神経科に通院していたのだから、そのときになれば精神科に入院することも考えます。

今朝起きると理由のハイ状態でした。けれど仕事が順調にいかないこともあって鬱になり、病的な不安定状態になった。
そしてまた理由のないハイになって今はまた鬱です。
もうどうとでもしてくれという感じ。
お腹の子どもさえ無事に生まれてくれたら、あとは入院してもいい。
あとのことはパパ(お腹の子の父親)に任せようと思う。

思うに、わたしはパパとの関係を神様がくださった特殊な贈り物のように感じているけれど、
実際にはわたしたちの関係というのは世間の仲のいい夫婦のそれだと思います。
たまたまわたしの周りには仲のいい夫婦はいないし、わたし自身がそういった結婚を経験していないので、
わたしはパパを貴重な宝石のように感じているけれど、
パパとの関係こそが『当たり前の夫婦関係』です。
一方が一方に隷従する関係のほうが異常なんです。
今頃になってやっとそのことに気づいたわたしです。

今では素直な感情の吐露に慣れているわたしですが、
自分がいかに長い間、不幸な結婚生活の渦中にあったかがわかる。
誰と結婚しても同じだとあきらめていた。結婚ってこんなものだとあきらめていた。
それは本当の幸せを知らなかったから。
人間らしい家庭というものを知らなかったから、わたしは自分の精神の均衡を保つために
どこの家庭でもこうだと思い込もうとした。
そうしなければ生きて行けなかったから。

母は長い間、近親相姦というものを見て見ぬふりしてきた。
それがいかに人間として間違った行為であるかは、今とくとわかる。
子どもに二重三重の人間不信と自己否定を植えつける行為である。
親がどうであれ、自分はそういった人間になってはいけないのだ。
そして何より、我が子を近親相姦の魔の手から守らねばならない。全身全霊を懸けて。

人間生まれてきたときも一人だし死ぬときも一人だという。
人間は死ぬまで孤独だというのは真理であると思うけれど、
今ここにあるぬくもりを失いたくない。パパを失いたくない。
お腹の子を失いたくない。
失ったら、再びわたしは一人ぼっちになってしまう。
また深い、あの淀みに沈んでいく。